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ストッキングとコールド クリーム ストッキングとコールド クリームについてお話ししたいと思います. え? 音楽の話じゃないの? いえ,トロンボーンの話です. ご存知のようにトロンボーンはスライドを前後させて演奏します.図のように管が二重になっていて,それをずらして管全体の長さを変えることによって音程を変えている訳です. ところが詳しく描くと,実際には次のように内側の管の太さは一様ではなく,先の方だけが少し太くなっています.(実際は非常に僅かな差です.) 外側の管と内側の管の間に隙間があるとうまく音が出ないので,外側の管と内側の管はぴったり付くよう精密に作られています.しかし管全体を同じ太さでぴったり作ってしまうと,接触する面積が大きいので摩擦が大きくなって,スムーズに管を動かすことができなくなってしまいます. そこで先の方だけをぴったり作り,後の部分は少し細くして外側の管との間に僅かに隙間ができるようにし,動きがスムーズになるようにしてあります. この内側の管の先端の僅かに膨らんでいる部分のことを「ストッキング」と呼びます. このように摩擦を減らす工夫がされてはいますが,そのままではまだスムーズに動かすには支障があるので,さらに滑りがよくなるよう何らかの潤滑材を使います. 潤滑材と言えばまず思い付くのは油ですが,実際オイルを使う人もいます.ちゃんと専用のオイルが楽器店などで売られています. 別の方法として,クリーム状のものをストッキングの部分に薄く塗り延ばして霧吹きで細かい水滴を吹きつけるというものがあります. このクリーム,現在は専用のものが売られていますが昔はコールド クリームを使っていたんだそうです. |